楕円と接線

媒介変数θを使って表現されている楕円と接線問題

問題

xy平面上の曲線Cは媒介変数θを用いて

\[x=\frac{1}{3}\cos \theta +\frac{2}{3}\sin \theta , y=\frac{1}{6}\cos \theta -\frac{2}{3}\sin \theta\]

と表される。このとき

(1)Cを表すxとyの関係式を求めよ。

(2)点(2,0)から曲線Cに引いた接線の方程式と接点の座標を求めよ。(0≦θ≦π) 


解答

(1)はcosθとsinθの連立方程式のように考え式変形を行います。

\[x=\frac{1}{3}\cos \theta +\frac{2}{3}\sin \theta , y=\frac{1}{6}\cos \theta -\frac{2}{3}\sin \theta\]

途中計算は省略するので、自分で計算して確認してください。 

\[\begin{aligned}cos\theta =2\left( x+y\right) \\ sin\theta =\dfrac {x-2y}{2}\end{aligned}\]

これを次の関係式に代入します。

\[sin^{2}\theta +\cos ^{2}\theta =1\]

すると次の関係式が導かれます。(楕円が回転した形ですね)

\[\dfrac {17}{4}x^{2}+7xy+5y^{2}=1\]

と、まあここまでは単なる式変形なので軽く出せる人も多いでしょう。

***

 

 

では続いて(2) について

何も思いつかないときは、接線の式をy=ax+bと置いて(1)の曲線との交点が一つであることから判別式D=0としても解けます。でも、実際に計算すると思ったよりも面倒で時間がかかり、これが入試本番だったら心が折れてしまうかもしれません。

私も実際どれぐらい時間がかかるのか試してみましたが…私の計算力で10分程度でした。

ではここからが本題。X=cosθ、Y=sinθとして、新しいXY平面を考えます。

\[sin^{2}\theta +\cos ^{2}\theta =1\]

ですから、

\[X^{2}+Y^{2}=1\]

と、原点中心で半径が1の円になります。

(x,y)=(2,0)は、X=4 Y=1に移ります。

(X,Y)=(4,1)から、原点中心で半径が1の円に接線を引くと、接線はY=1、接点は(0,1)とうことがすぐにわかるので、これをx,yに戻すと接線は

\[y=\frac{1}{2}x-1\]

接点は

\[(\frac{2}{3},-\frac{2}{3})\]

となることがわかります。

(もう一本接線が出来るのですが、θの範囲からÝ=1だけに限定されるのが出題者の心配りですね)



いかがでしょうか?

xy平面をXY平面へと一旦移して考えるところがポイント。楕円の問題が円の問題に変わるのでぐっとやりやすくなりますし、しかも一瞬で円の接線がわかるようにしてくれているという…難問だけど良問です。