三角関数のグラフと応用問題

三角関数の応用問題は、まず”グラフを書いて考える”ことが鉄則です。問題集では紙面の関係上、グラフが載っていないことが多いため、「グラフをイメージして考える」ことが習慣化されていない生徒も多くおり、それが原因で応力できなくなっています。下記の問題を参考に、定期テストや大学入試に向けた応用力を鍛えてください。

例題①:グラフの基本形の描画

y = 2sin(θ) のグラフを 0〜2π で描け。振幅と周期を答えよ。

a = 2 → 振幅が2、b = 1 → 周期は2π
y = sinθ の波形が上下に2倍に引き伸ばされたグラフ。
最大値2、最小値−2の波形で1周期が2π。

例題②:変形グラフの特徴読み取り

y = 3cos(2θ − π/3) のグラフの周期、振幅、位相のずれを求めよ。

a = 3 → 振幅3、b = 2 → 周期 = 2π ÷ 2 = π
c = −π/3 → +π/3 へ平行移動(右にπ/3)
よって、右にπ/3ずれたcosグラフが、高さ3でπ周期で繰り返される。

応用問題①:三角関数のグラフと交点

y = cos(θ) と y = 1/2 のグラフの交点を、また、0≦θ≦2πの範囲でy≦1/2となるθの値を求めよ。

cosθ = 1/2 となる θ は π/3, 5π/3
よって、交点は θ = π/3, 5π/3 の2つ

また、cosθ≦1/2 となる範囲を求めるには、cosθ の波形を理解することが大切です。
cosθ は [0, 2π] の範囲で、θ = 0 から減少して π で最小値−1をとり、そこからまた増加して 2π で1に戻ります。
cosθ = 1/2 を境に、値がそれ以下になるのは、θ = π/3 から θ = 5π/3 までの範囲です。
よって、0≦θ≦2π の範囲で y≦1/2 となるθの値は、π/3 ≦ θ ≦ 5π/3

※下図のピンク色の部分で、y=1/2(黒線)より下にy = cos(θ)のグラフがある部分を読み取り、その範囲を答えればよいということです。

応用問題②:三角関数のグラフと範囲

y = 2sin(θ) − 1 のグラフの最大値・最小値を求めよ。また、π/2≦θ≦5π/2の範囲で、y≧0となるθの値を求めよ。

y = 2sin(θ) − 1 の最大値は 2×1−1 = 1、最小値は 2×(−1)−1 = −3

また、y≧0 ⇔ 2sinθ − 1 ≧ 0 ⇔ sinθ ≧ 1/2となり、sinθ = 1/2 となるのは θ = π/6, 5π/6,・・・となります。
π/2≦θ≦5π/2 の範囲で、sinθ≧1/2 となるのはθ ≦ 5π/6、または 13π/6 ≦ θとなることから、
答えは、π/2 ≦ θ ≦ 5π/6、または 13π/6 ≦ θ ≦ 5π/2

※下図のピンク色の部分で、y=1/2(黒線)より上にy = 2sin(θ) − 1のグラフがある部分を読み取り、その範囲を答えればよいということです。
(右はし、左はしが問題文で指定されているので忘れないよう要注意)